2026年5月4日時点で注目されたEV(電気自動車)関連ニュースについて、その後に公表された統計や市場動向を反映して更新します。今回は、日本の輸入EV登録、中古EV市場へのリース返却車の流入、TeslaのFSD(Supervised)累計走行距離という3件を取り上げます。
1. 2025年度の輸入EV登録台数が初の3万台超え
日本自動車輸入組合(JAIA)の2025年度、2025年4月から2026年3月までの集計によると、外国メーカー車のEV新規登録台数は前年度比33.9%増の3万3,299台となり、年度ベースで初めて3万台を突破しました。外国メーカー車全体に占めるEVの割合も3.2ポイント上昇し、14.0%となりました。
一方、2025年1月から12月までの暦年集計は3万513台です。「2025年度」と「2025年」の統計では対象期間が異なるため、数値を区別する必要があります。
輸入EVのラインアップは、2020年の10ブランド・20モデルから、2025年末には商用車を含む22ブランド・174モデルへ拡大しました。Tesla、BMWグループ、ボルボ、BYDなど複数のメーカーが市場を構成しています。ただし、JAIAの月次統計ではTeslaがブランド名ではなく「Others」に含まれることがあるため、メーカー別台数を扱う際には注意が必要です。
その後も輸入EVの存在感は高まっています。2026年6月のJAIA統計では、Teslaをほぼ反映するとみられる「Others」が3,997台を記録しましたが、これは公式統計上のTesla確定値ではなく推定を含む見方です。BYDの2026年上半期の国内登録台数は2,334台で、前年同期比42.7%増となりました。
また、2026年3月の日本の乗用車BEV販売比率は3.11%でしたが、6月には5.48%へ上昇し、過去最高を更新したとの集計があります。輸入車の伸長はその一因ですが、国内メーカー車や軽EVも含む市場全体の数字であり、輸入EVだけのシェアではありません。
情報源:JAIA — 2025年の輸入BEV実績/JAIA — 輸入車新規登録台数情報/BYD Auto Japan — 2026年上半期登録実績
2. 約30万台のリース満了EVが米国中古市場へ
Cox Automotiveは、2023年に増加したEVリース契約が満了を迎えることで、2026年に約30万台のEVが米国でリース返却されると予測しています。推計では前年から約185%増となり、特に2026年後半に返却台数が増える見込みです。
これにより、比較的新しい中古EVの選択肢が増え、購入価格の高さを理由に新車EVを見送ってきた人にとって選択肢が広がる可能性があります。ただし、走行距離、バッテリーの状態、メーカー保証の残存期間は車両ごとに異なります。リース返却車だから一律に「走行距離約4万km」「保証付き」とは限りません。
供給だけでなく需要も伸びています。Cox Automotiveによると、2026年6月の中古EV販売は前年同月を上回り、リース返却車や下取り車の増加が中古EV市場の拡大を支えています。別の市場調査では2026年初めから中古EV価格が上昇したとの報告もあり、約30万台の返却が直ちに大幅な値下がりを意味するわけではありません。
中古EVを選ぶ際には、車両価格だけでなく、バッテリー保証の条件、急速充電性能、実用航続距離、修復歴、バッテリー健全度を個別に確認することが重要です。
情報源:AuctionNet — 2026年第1四半期EV卸売市場報告/Cox Automotive — 2026年6月EV市場報告
3. Tesla FSD(Supervised)の累計走行距離が100億マイルに到達
Teslaの運転支援システム「Full Self-Driving(Supervised)」による累計走行距離が、2026年5月に100億マイル(約161億km)へ到達しました。これは一般ユーザーがドライバーの監視下でFSDを使用した走行を中心とする累計値であり、100億マイルを無人運転したという意味ではありません。
FSD(Supervised)は、アクセル、ブレーキ、操舵、進路選択などを広範囲に支援しますが、利用者には周囲の常時監視と、必要な場合に直ちに介入する責任があります。Teslaの投資家向け資料にも「積極的なドライバー監視が必要で、車両を自動運転車にするものではない」と注記されています。
累計走行距離の拡大は、多様な実走行データを蓄積するうえで重要です。一方、総走行距離だけでレベル4自動運転の実現や安全性を証明することはできません。評価には、ドライバー介入の頻度、事故の重大度、道路・天候条件、ソフトウェアのバージョン、HW3やHW4など車載ハードウェアの世代差も必要です。
記事公開時点で紹介されていた「1日2,900万マイル」は、その時点の増加ペースを示すスナップショットであり、継続的な公式指標ではないため削除しました。
2026年第2四半期には、FSDの有効契約数が世界で約148万件へ増加しました。一般販売車向けのFSD(Supervised)と、一部都市の限定された運行領域で展開されるTesla Robotaxiは、監視体制、運行条件、走行距離の集計が異なるため、分けて扱う必要があります。
情報源:Tesla — FSD(Supervised)安全性レポート/Tesla Investor Relations — 四半期資料
まとめ
日本では輸入EVの登録台数と選択肢が拡大し、米国では大量のリース満了車が中古EV市場へ流入する段階に入りました。TeslaのFSD(Supervised)も累計100億マイルという規模に達しましたが、走行距離、販売台数、在庫数といった大きな数字だけで結論を出さず、集計期間、対象範囲、運転監視の有無などを区別して評価することが重要です。


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