2026年4月21日前後のEV業界では、Hondaの小型スポーツEV「Super-ONE」、欧州メーカーの新世代BEV、EVを電力網の調整力として活用するV2G実証が注目された。本稿では、その後に確定した発売情報や実証条件も加えて4件を更新する。
1. 電動Mercedes-Benz Cクラス——その後ハンガリーで生産開始
Mercedes-Benzは2026年4月20日、韓国・ソウルで初の電動Cクラスを世界初公開した。導入時のC 400 4MATIC electricは、800Vアーキテクチャ、使用可能容量94kWhのバッテリー、最大330kWの急速充電に対応し、WLTP航続距離は最大762kmとされる。
急速充電は10~80%を約22分、理想的な条件では10分間で約325km分の航続距離を回復できる。電池温度、残量、充電器の出力などによって実際の時間は変動する。
インテリアにはMBUXハイパースクリーンを搭載する仕様を設定し、ヴィーガン認証を受けた内装も選択できる。装備は市場やグレードによって異なるため、全車標準とは限らない。
量産は当初2026年第2四半期に始める計画とされ、Mercedes-Benzはその後、7月13日にハンガリー・ケチケメート工場での生産開始を正式発表した。前日のニュースまとめでも扱った内容のため、本稿では確定した生産情報を中心に記録する。
2. Honda「Super-ONE」——339万200円、航続274kmで正式発売
Hondaは2026年4月10日に小型EV「Super-ONE」の先行予約を発表し、全国のHonda Carsで4月16日に受付を開始した。その後、5月21日に正式発表し、5月22日に発売した。
- 全国メーカー希望小売価格:3,390,200円
- CEV補助金:130万円
- 補助金受給後の車両本体参考価格:2,090,200円
- WLTC一充電走行距離:274km
- 最高出力:70kW(95PS)
- 駆動方式:FF
- 乗車定員:4名
- 全幅:1,575mm(5ナンバーサイズ)
従来の記事に記載した「5月28日発表・29日発売」と「航続距離160km以上」は、正式発表後の情報と一致しないため訂正する。
また、補助金130万円は「航続距離160km以上だから最大額になる」という単純な制度ではない。CEV補助金では車両性能だけでなく、メーカーの充電インフラ、整備体制、サイバーセキュリティー、ライフサイクル全体の取り組みなども評価される。
約209万円は、国の補助金を車両本体価格から単純に差し引いた参考額である。登録諸費用、リサイクル料金、オプションなどは別途必要で、補助金には申請期限と保有義務がある。自治体補助は居住地や条件によって異なる。
製品情報:Honda Super-ONE公式サイト
3. BMW iX3が欧州BEV受注を押し上げ——i3は8月量産予定
BMW Groupは2026年第1四半期、欧州におけるグループ全体のBEV受注が前年同期比で約40%増えたと発表した。Neue Klasse第1弾のiX3は受注開始以来5万台を大きく超え、BMW X3シリーズ受注の半数超をBEV版が占めた。iX3の欧州納車は2026年3月に始まっている。
後に公表された決算資料では、BMWブランド単独の欧州BEV受注が60%超と説明された。約40%と60%超は、BMW Group全体とBMWブランド単独という集計範囲の違いである。
Neue Klasse第2弾となる新型i3は、BMW公式発表によると、2026年8月にミュンヘン工場で量産を開始する予定。BMWは好意的な初期反応を得ていると説明しているが、現時点でi3の確定受注台数までは示していない。
この項目も前日の記事と一部重複するため、受注と納車を混同せず、i3の生産計画を補足する形に整理した。
4. V2G対応乗用EVで年間最大3,359ドルの収益可能性——米国市場データで試算
デラウェア大学、Exelon傘下のDelmarva Powerなどは、V2G(Vehicle-to-Grid)のパイロットプログラムに関する報告を公表した。大学の発表によると、V2G対応の乗用EVは、2021~2025年の実際の電力市場価格を基にすると、系統サービスへの参加によって年間最大3,359ドルを得られる可能性がある。
バス、配送トラックなど電池容量の大きいフリート車では、年間1台当たり9,000ドルを超える可能性が試算された。ただし、これらは全車が実際に受け取った金額ではなく、市場価格と運用条件を使った収益可能性の評価である。
実証では、Delmarva Powerの少数のEVを双方向充電と新しい通信規格に対応するよう改造し、PJMの電力市場で運用した。1年間の市場運用後、対象電池には測定可能な健全性低下が確認されなかったと報告されている。ただし、これは長期的な劣化が一切起きないことを証明するものではない。
収益は電力市場価格、接続可能時間、電池容量、充放電設備、アグリゲーターとの契約、制度によって大きく変わる。米国の特定市場を使った結果であり、日本の一般EV所有者が同額を得られるという意味ではない。日本で普及するには、対応車・双方向充電器、系統接続ルール、報酬制度、電池保証などの整備が必要になる。
まとめ
Super-ONEは正式発売後、339万200円、航続274km、CEV補助金130万円という商品像が確定した。欧州では電動CクラスとNeue Klasseの量産・受注が進む一方、V2GはEVを移動手段だけでなく分散型蓄電池として使う可能性を示している。
ただし、補助金差引額は乗り出し価格ではなく、V2Gの金額は特定の米国市場を基にした最大収益の試算である。価格、収益、電池への影響を評価する際は、それぞれの条件と対象範囲を確認する必要がある。

コメント