【EVニュースまとめ】2026年5月6日|NIO・BYD販売とAAA温度テストを検証(4選)

最終確認:2026年7月26日

2026年5月初旬に注目された海外EVニュースから、NIOの納車実績、BYDのブラジル販売、AAAによる温度別EVテスト、BYDの世界販売動向を取り上げます。公開後に判明した6月までの公式実績も加え、メーカー発表、証券取引所提出資料、AAAの研究報告書を基準に整理しました。


1|NIO、2026年4月に29,356台を納車

NIOは2026年4月、NIO、ONVO、FIREFLYの3ブランド合計で29,356台を納車しました。前年同月比では22.8%増です。

ブランド2026年4月納車台数
NIO19,024台
ONVO5,352台
FIREFLY4,980台
合計29,356台

2026年1~4月の累計納車は112,821台で、前年同期比71.0%増。全ブランドの累計納車は4月末時点で1,110,413台となりました。

All-New ES8は4月23日、納車開始から215日で累計10万台に到達しました。これはNIOが、中国の40万元超のプレミアム乗用車カテゴリーにおける納車実績の新記録と説明しているものです。「発売後」ではなく「納車開始後」の実績として捉える必要があります。

NIO公式:2026年4月納車実績

その後:6月は40,597台へ増加

NIOの6月納車は40,597台で前年同月比62.9%増、第2四半期は107,658台で前年同期比49.4%増となりました。All-New ES8は6月22日に累計12万台へ到達。ES9も5月28日の納車開始から30日で累計1万台に到達しています。

NIO公式:2026年6月・第2四半期納車実績


2|BYD、ブラジルの「小売販売」で初の首位

BYDは2026年4月、ブラジルの乗用車・ピックアップの小売販売で初めて首位になりました。ここでいう小売販売は、主にディーラーから個人へ販売された車両を対象とする集計です。

順位ブランド小売登録シェア
1位BYD14,911台12.8%
2位Volkswagen14,832台12.7%
3位Fiat13,568台11.7%

BYDとVolkswagenの差は79台でした。電動車を中心とするブランドがブラジルの小売市場で首位になった点は大きな節目です。

市場全体では5位

一方、法人・レンタカーなどへの直接販売を含む「小売+直接販売」の市場全体では、4月のBYDは18,474台で5位です。首位は43,132台のFiat、2位は38,899台のVolkswagenでした。

したがって、「BYDがブラジル新車市場全体で全メーカー首位になった」という説明は正確ではありません。正しくは、乗用車・ピックアップの小売販売で初の首位です。

BYDブラジル公式:2026年4月小売販売

その後:上半期の市場全体で4位へ

BYDブラジルによると、2026年上半期の登録は99,029台となり、市場全体の累計4位へ上昇しました。6月単月も市場全体で21,254台の4位、小売販売では3か月連続の首位と説明されています。

BYDブラジル公式:2026年上半期販売


3|AAA温度試験:暑さより寒さの影響が大きい

米国自動車協会(AAA)は、3台のBEVと3台のハイブリッド車をシャシーダイナモ上で試験し、気温による効率、航続距離、走行コストの変化を調べました。

試験温度は20°F(約マイナス6.7℃)、75°F(約23.9℃)、95°F(約35℃)で、車内空調は72°F(約22.2℃)に設定されています。実際の航続距離は車種、速度、道路、風、空調設定、バッテリー温度などでも変わるため、この結果をすべてのEVへ一律に当てはめることはできません。

条件BEV平均MPGe計算上の平均航続距離
95°F(約35℃)10.4%低下8.5%低下
20°F(約マイナス6.7℃)35.6%低下39.0%低下

高温時の低下率はAAA公式値に合わせ、約35℃で平均8.5%の航続距離低下とします。個別車種・走行サイクルでは差があるものの、研究全体の結論は「高温にも影響はあるが、寒冷時の影響の方が大きい」です。

AAAが示す実用的な対策

  • 電源に接続している間に車内をプレコンディショニングする
  • 必要に応じてシートヒーターやステアリングヒーターを使う
  • タイヤ空気圧を適正に保つ
  • 極端な気温下で高速走行を続けない
  • 寒冷時は充電回数と充電場所に余裕を持たせる

「プレコンディショニング」は事前に充電すること自体ではなく、出発前にバッテリーや車内温度を整える機能です。車種ごとの取扱説明書に従って利用してください。

AAA公式発表:温度によるEV・ハイブリッド車への影響
AAA研究報告書(PDF)


4|BYDの4月販売減少:国内販売と世界販売を混同しない

BYDが香港証券取引所へ提出した資料によると、2026年4月の新エネルギー車世界販売は321,123台でした。このうち乗用新エネルギー車は314,100台です。

区分2026年4月2025年4月前年同月比
乗用新エネルギー車314,100台372,615台約15.7%減
BEV156,944台195,740台約19.8%減
PHEV157,156台176,875台約11.2%減

同月の輸出台数は135,098台でした。これらはBYDの世界販売を含む企業集計であり、「中国国内の純EV販売」だけを示した数字ではありません。また、乗用新エネルギー車にはBEVとPHEVの両方が含まれます。

4月まで8か月連続で前年同月を下回ったという評価は、月次実績を比較した報道上の分析です。BYDの提出資料そのものが「競合他社との競争激化を主因」と認定したものではありません。中国市場の価格競争、需要、商品構成、海外展開など複数の要因を分けて見る必要があります。

BYD公式・香港証券取引所:2026年4月生産・販売実績(PDF)

その後:6月は乗用新エネルギー車全体で増加

6月の乗用新エネルギー車販売は397,292台となり、前年同月の377,628台を約5.2%上回りました。内訳はBEVが201,472台で約2.6%減、PHEVが195,820台で約14.7%増です。

つまり、4月時点の減少傾向がそのまま続いたわけではありません。乗用新エネルギー車全体は6月に前年同月比プラスへ戻りましたが、BEV単独では小幅な前年割れが続いており、PHEVの伸びが全体を押し上げた構図です。

BYD公式・香港証券取引所:2026年6月生産・販売実績(PDF)


まとめ

NIOは4月から6月にかけて納車を伸ばし、All-New ES8やES9でも納車実績を積み上げました。BYDはブラジルの小売販売で首位となり、その後は市場全体でも上位へ進出しています。

一方、販売統計を読む際は「小売のみか、直接販売を含むか」「中国国内か、世界販売か」「BEVか、PHEVを含む新エネルギー車か」を確認する必要があります。AAAの温度試験についても、試験条件と平均値を明示し、個々の車両に同じ割合が当てはまるような表現は避けるべきです。

本記事は、NIO公式発表、BYDおよび香港証券取引所の公表資料、AAAの公式研究を一次情報として確認しています。メーカーが示す市場評価や記録については、各社発表に基づく表現であることを区別しています。

長谷川

2021年よりテスラ Model 3 でEVオーナーとしてのキャリアをスタート。現在はテスラ Model 3・Model Y、Hyundai KONA、日産サクラの計4車種を保有し、日常使いから長距離走行まで実践的に運用しています。
TOCJ(Tesla Owners Club Japan)全国ミーティング、New Year EV MEET 2026、ジャパンEVラリー白馬などのEVオーナーズイベントや、Japan Mobility Showの見学など、現場での情報収集にも積極的に取り組んでいます。多数の試乗経験と4台のオーナー経験をもとに、日本におけるEVの実態を一次情報として発信。購入検討から日常運用まで、実体験に基づいた信頼性の高い情報提供を心がけています。
現在の所有車:Tesla Model 3 / Tesla Model Y / Hyundai KONA Electric / 日産サクラ
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