2026年5月第1週、グローバルEV市場では中国勢の明暗が際立つ動きが続いている。NIOが堅調な納車台数を記録する一方、BYDはブラジルで歴史的な首位を獲得しながらも本国・中国では苦戦が続く。また米国の消費者団体AAAによるEVバッテリー調査も注目を集めており、季節ごとの航続距離への影響が改めて浮き彫りになった。
NIO、2026年4月に3ブランド合計29,356台を納車——前年同月比22.8%増
中国EV大手NIOは、傘下の3ブランド(NIO・ONVO・FIREFLY)合計で2026年4月に29,356台を納車し、前年同月比22.8%増を達成した。内訳はNIOブランドが19,024台、ファミリー向けONVOが5,352台、コンパクト高級EVのFIREFLYが4,980台。年初来の累計納車台数は112,821台(前年同期比+71%)に達し、NIO全シリーズの累計納車数は4月末時点で111万台を突破した。4月23日には旗艦SUV「ES8(新型)」が発売後215日で10万台累計を達成し、40万元超の高級車セグメントで最速記録を樹立している。
情報源:Electrek — NIO April 2026 deliveries
BYD、ブラジルで全メーカー月間首位を初獲得——フォルクスワーゲンを僅差で上回る
中国BYDが2026年4月のブラジル新車販売でフォルクスワーゲン(VW)を約80台差の僅差で抑え、全ブランドを通じた月間販売首位を獲得した。中国メーカーがブラジル市場全体トップとなるのは史上初。BYDの4月販売台数は14,911台で、2メーカーとも約13%の市場シェアを持つ。ブラジルは2024年比で急速にEV普及が進んでおり、BYDは2026年の同国販売目標を33.7%増の250,000台に上方修正。年内に10%の市場シェア獲得を目指している。
情報源:EV — BYD Tops Brazil Vehicle Sales in April for First Time
AAA調査:EV航続距離は猛暑・厳寒で大幅低下——夏・冬の正しい対策法を解説
米国自動車協会(AAA)が実施した最新のEVバッテリーテストにより、極端な気温がEVの航続距離(走行可能距離)に大きく影響することが改めて示された。夏季に外気温が38℃を超えると最大25%、冬季に氷点下が続く環境では最大40%近く航続距離が短縮されるケースもある。対策としてAAAは、事前に充電を行う「プレコンディショニング」の活用と、駐車中は直射日光を避けることを推奨。EVオーナーが増える中、季節に合わせた正しい使い方の普及が求められる。
情報源:NPR — AAA put EVs to the test: heat and cold impact on batteries
BYDの乗用EV国内販売が8ヶ月連続で減少——競合他社との競争激化が主因
BYDの中国国内における乗用EV(純電気自動車)販売台数が、2026年4月で8ヶ月連続の前年同月比減少となった。LeapMotor(零跑汽車)やZeekr(极氪)、Li Auto(理想汽車)など後発の新興EVメーカーが積極的な価格競争を仕掛けており、BYDの中国市場でのシェアを侵食しつつある。一方で輸出は引き続き好調で、ブラジルをはじめ東南アジア・中東へも販売網を拡大中。国内需要の喚起と海外展開の両立がBYDの今後の課題となっている。
情報源:CNBC — BYD’s passenger EV sales drop for an eighth month
まとめ
今週のEVニュースは「中国勢の明暗」がキーワードだ。NIOは安定した成長を続け、BYDはブラジルで歴史的快挙を達成したものの、本国・中国では競合との戦いが激化している。AAAの調査はEV普及期の課題として「気温対策」の重要性を改めて示した。引き続き国内外のEV最新動向をev-note.jpでお届けする。


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