2026年7月29日更新:2026年7月21日前後に発表されたEVニュースから、EUの公共充電網、2人乗りEV「smart #2」、中国向け特別仕様車「firefly haven」、日産英国の整備連動型保証、米自治体の普通充電整備、VinFastのベトナム国内販売を取り上げます。数字だけを並べるのではなく、日本でEVを選ぶ人が確認したい「充電口数と出力」「海外発表と日本導入」「車両保証と電池保証」の違いを解説します。
EUの公共充電ポイントは2025年末に約110万口
環境NGOのTransport & Environment(T&E)による分析では、EUの公共充電ポイントは2025年末に約110万口へ達し、2020年の約5倍に増えました。ここでいう110万は充電施設数や充電器本体の台数ではなく、車両を同時に接続できる充電ポイント数です。
AFIR(代替燃料インフラ規則)は、各国に登録されるBEV1台あたり少なくとも1.3kWの公共充電出力を求めています。2026年3月末時点では、マルタを除くEU加盟国がこの保有台数連動要件を満たしたと分析されています。
一方、2026年6月時点で2025年の配置目標を満たしたTEN-Tコア道路網は79%です。これは「EUの急速充電器の79%が超急速充電に対応した」という意味ではなく、主要道路沿いに一定間隔で必要な急速充電設備を配置する目標に対する道路網の達成率です。残る区間には地域差があります。
日本でも「充電器の数」だけでは比較できない
公共充電を比較するときは、施設数、充電器本体の台数、同時に使える口数を分けて確認する必要があります。さらに、施設全体の合計出力、1口あたりの最大出力、複数台利用時の出力分配、故障率、待ち時間も使いやすさを左右します。
高速道路では短時間で多くの電力量を補給できる高出力急速充電が重要です。一方、駅、商業施設、宿泊施設では、駐車中に利用する普通充電が適しています。すべての場所を急速充電へ置き換えるのではなく、滞在時間に合った設備を配置することが大切です。
2人乗りEV「smart #2」が世界検証試験
smartは、新型2人乗りEV「smart #2」の量産化に向け、世界各地で試作車の検証を進めています。公道だけでなく、風洞、音響設備、温度管理設備などを使い、都市での取り回し、走行安定性、NVH(騒音・振動・乗り心地)、安全性を確認しています。
量産モデルは2026年10月のパリモーターショーで世界初公開される予定です。初代smart fortwoの「小さな車体で都市空間を効率的に使う」という考え方を受け継ぐモデルですが、電池容量、航続距離、モーター出力、価格はまだ発表されていません。日本発売についても公式発表はありません。
小型EVが合う人、合わない人
2人乗り小型EVは、狭い道や駐車場が多い都市部、通勤、買い物などに適する可能性があります。一方、後席、荷室、家族利用、高速道路での長距離移動を重視する人には制約があります。日本導入が発表された場合も、車体寸法だけでなく、充電規格、販売・整備拠点、保証、補助金対象を確認する必要があります。
fireflyの特別仕様車、正式名は「haven」
NIO傘下のfireflyは2026年7月20日、デザイン重視の「halo series」と、その第1弾となる特別仕様車「haven」を中国で発売しました。旧記事の車名は誤記でした。
- 車名:firefly haven
- 中国での価格:13万3,300元から
- BaaS(電池を別契約とする方式)利用時:9万3,300元から
- 受注開始:2026年7月20日
- 納車開始:同日
限定色や内装素材など、30以上のデザイン要素を特徴とするモデルです。期間限定施策では7kW家庭用充電器などの選択肢も案内されました。中国向けの価格やBaaS条件であり、日本価格を示すものではありません。日本導入も公式発表されていません。
日産英国、正規整備で車両保証を最大6年へ
Nissan UKは、新型MICRA、新型LEAF、2026年型ARIYAを対象に、正規店で整備を受けることで追加保証を付与する「Service Activated Warranty」を案内しています。
| 保証 | 英国での主な条件 |
|---|---|
| 通常の新車保証 | 3年または6万マイル |
| 整備連動型の追加保証 | 最大3年、累計10万マイルまで |
| 車両保証の合計 | 最大6年 |
| EV用リチウムイオン電池保証 | 8年または10万マイル |
| 電池容量保証 | 車載容量計が12セグメント中9未満となる容量低下を対象 |
年数と走行距離は、どちらか早く到達した条件が適用されます。「正規店で整備を受ければ、すべての故障が無条件で6年間保証される」という制度ではありません。車齢、走行距離、対象部品、整備記録、除外条件を規約で確認する必要があります。
また、これは英国向け制度であり、日本の日産車へそのまま適用されません。日本で購入する際は国内保証書を確認してください。
EV保証は3種類に分けて比較する
EVを初めて購入する人は、一般的な車両保証、高電圧部品保証、電池容量保証を分けて比較しましょう。電池保証が8年あっても、航続距離が少し短くなっただけで新品電池へ無条件交換されるとは限りません。容量維持率、判定方法、中古購入時の保証継承も重要です。
米マウント・プレザント町は21基・41口の普通充電を整備
ニューヨーク州マウント・プレザント町は、Westchester郡、INF Associates、Con Edisonと連携し、4拠点へChargePoint CP6000のレベル2充電ステーション21基を設置しています。同時に利用できる充電ポートは合計41口です。
| 設置場所 | ステーション | 充電ポート |
|---|---|---|
| Hawthorne駅 | 5基 | 10口 |
| Valhalla駅 | 5基 | 10口 |
| 町役場 | 6基 | 11口 |
| コミュニティセンター・プール | 5基 | 10口 |
Hawthorne駅での工事は7月27日に始まりました。これは高速道路で短時間充電する設備ではなく、駅や公共施設に駐車している時間を利用する普通充電の事例です。「21基」と「41口」を区別することで、実際に何台が同時利用できるかが分かります。
VinFast、ベトナム国内で上期11万5,916台を納車
VinFastは、ベトナム国内で2026年6月に1万7,955台、上期累計で11万5,916台のEVを納車したと発表しました。前年同期比では72%増です。これはVinFastが公表したベトナム国内の納車台数であり、世界販売台数や第三者機関による登録統計ではありません。
| 車種 | 2026年上期の発表台数 |
|---|---|
| Limo Green | 2万7,927台 |
| VF 3 | 2万3,781台 |
| VF 5(Herio Greenを含む) | 2万167台 |
| VF 6 | 1万4,045台 |
最多は商用・モビリティサービス向けMPVのLimo Greenで、次いで小型車VF 3でした。ベトナムでは、業務用需要と低価格の都市型EVが販売を牽引していることが読み取れます。ただし、税制、所得水準、充電網、メーカーの事業構造が異なるため、この数字をそのまま日本の需要予測には使えません。
まとめ:充電も保証も「数字の定義」を確認する
EUでは公共充電ポイントが110万口へ増えましたが、主要道路沿いには未達区間が残ります。米自治体の事例では21基の普通充電ステーションが41口を提供します。このように、施設数、機器数、口数、出力は同じ指標ではありません。
車両情報でも同様に、海外公開と日本発売、車両保証と電池容量保証、国内納車と世界販売を分ける必要があります。初めてEVを購入するときは、大きな数字だけで判断せず、その数字が何を数え、どの国・車両・期間に適用されるのかを確認しましょう。


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