2026年4月29日のEV(電気自動車)業界では、国内外で注目すべき動きが相次ぎました。日産は軽EV「サクラ」のマイナーチェンジを発表。中国ではNIOのサブブランドONVOが大型電動SUV「L80」の予約販売を開始し、CATLはナトリウムイオン電池の大規模供給契約を締結しました。本記事では、発表後に確定した発売・納車状況も含めて情報を更新します。
日産サクラをマイナーチェンジ——6月29日に発売、国内累計販売10万台を突破
日産自動車は2026年4月16日、軽EV「日産サクラ」のマイナーチェンジを発表し、同日から注文受付を開始しました。改良モデルは6月29日に発売されています。
グレードはS、X、Gの3種類で、メーカー希望小売価格はSが244万8,600円、Xが259万9,300円、Gが299万8,600円です。価格はグレードによって据え置きまたは引き下げられました。全グレードが国のCEV補助金58万円の対象で、Sは補助金適用後の車両価格が186万8,600円となります。実際の購入額は申請条件、自治体独自の補助制度、オプション、税金、登録諸費用などによって異なります。
外観では、G・Xにボディ同色のカラードグリルとカッパー加飾を採用し、フロントフェイスを刷新しました。Gには、水引をモチーフとした新デザインの15インチアルミホイールを設定。一方、Sは従来モデルの基本的な外観を維持しています。
ボディカラーには、水辺に咲く桜が水面に映る情景を表現した「水面乃桜(ミナモノサクラ)/スターリングシルバー プレミアム2トーン」をはじめ、新色4種類を追加して全10色を設定しました。
室内と使い勝手も見直され、助手席側カップホルダーの追加、エアコンの風向性能改善、ドライブモードスイッチの移設、接近時アンロック/降車時オートロック機能などを採用しています。USB Type-A・Type-C電源ポートや、最大1500Wの100V AC電源も仕様・オプションに応じて用意されます。
バッテリー容量20kWh、一充電走行距離180km(WLTC)、最高出力47kW、最大トルク195Nmという電動パワートレインの基本性能は大きく変わっていません。今回の改良は価格、デザイン、日常の使い勝手を中心としたものです。
2026年6月末までの国内累計販売台数は10万1,018台に達しました。日産によると、2022年5月から2026年6月までに国内で販売されたEVの約3割をサクラが占めています。
情報源:日産公式 — 日産サクラ 価格・グレード/日産公式 — 外観・デザイン/日産公式 — 主要装備一覧/次世代自動車振興センター — 車種別補助金交付額
ONVO L80——4月28日に予約販売、5月15日に正式発売
NIO(ニオ)のサブブランド「ONVO(オンボ)」は2026年4月28日、3列シートの大型電動SUV「L80」の予約販売を中国で開始しました。4月28日時点の24万5,800元は正式発売価格ではなく、予約販売価格です。
5月15日の正式発売時には、85kWhバッテリー込みの価格が24万2,800元、バッテリーを月額利用するBaaSでは15万6,800元からに設定されました。納車は5月16日に始まっています。
車体は全長5,145mm、ホイールベース3,110mm。後輪駆動モデルは最高出力340kW、0〜100km/h加速5.7秒です。仕様により、Orin Xを使うカメラ中心の運転支援システムと、NIOの自社開発チップ「Shenji NX9031」およびLiDARを組み合わせたシステムが用意されます。NIOグループのバッテリー交換ネットワークにも対応します。
なお、テスラ モデルYとの価格差は各社の価格改定で変動するため、比較する場合は2026年4月28日の予約販売発表時点の情報として扱う必要があります。
情報源:ONVO公式 — L80予約販売発表/ONVO公式 — L80製品情報/NIO公式 — 2026年5月納車実績
CATLとHyperStrongがナトリウムイオン電池60GWhの供給契約
CATL(寧徳時代)とエネルギー貯蔵システム大手のHyperStrongは2026年4月27日、3年間で60GWhのナトリウムイオン電池を供給する契約を締結しました。CATLは、これを世界最大規模のナトリウムイオン電池供給契約と説明しています。
今回の契約は主として定置用蓄電システムを対象とするもので、EV駆動用電池60GWhの供給契約ではありません。CATLはナトリウムイオン電池について、量産と大規模供給に向けたバリューチェーン上の進展を示しています。
CATLはその後、2026年6月にナトリウムイオン蓄電システム「TENER Sodium」を発表しました。同社によると、既存のLFP蓄電システムと同じ設置面積・プラットフォームに対応し、中国国内では2026年9月から納入を始め、年内に累計1GWhの出荷を目指します。
当初の記事に記載していた「単セル容量300Ah超」「エネルギー密度約160Wh/kg」「15,000サイクル後も容量80%」という組み合わせは、今回の60GWh契約に関するCATL公式発表では確認できません。160Wh/kgはCATLが2021年に発表した第1世代ナトリウムイオンセルの値であり、今回の蓄電システムの仕様とは区別する必要があります。
ナトリウムイオン電池は、リチウム資源への依存を抑え、低温性能や安全性を高められる可能性があります。一方、今回具体化した大規模商用化は定置用蓄電分野が中心であり、EV向けの実用化や普及時期とは分けて評価する必要があります。
情報源:CATL公式 — 60GWh供給契約/CATL公式 — TENER Sodium/CATL公式 — 第1世代ナトリウムイオン電池
まとめ
日産サクラの改良は、航続距離やバッテリー容量の拡大ではなく、価格、デザイン、日常の使い勝手を磨いた商品改良です。ONVO L80は予約販売発表後に正式価格と納車日が確定し、CATLの60GWh契約はEV用ではなく定置用蓄電を中心とする大型案件であることが明確になりました。発表時点の予定と、その後に確定した事実を分けて捉えることが重要です。

コメント