今日の結論
8月30日時点では、国内のV2H・外部給電器補助金が予算超過により受付を終えた一方、トヨタ・レクサスと主要15カ国のBEV販売は前年同月を上回った。車載ソフトウェアの共同開発は合意前の報道段階、EVトラック用電池の定置利用は実証検討の段階にある。
EV Note編集部の分析では、共通する変化は、EVの判断軸が販売台数だけでなく、導入支援、車載ソフト、使用済み電池の活用まで広がっていることである。日本の読者に直接影響するのはV2H補助金の終了であり、世界販売の伸びや将来技術の計画を、国内の車両価格、航続距離、下取り条件の改善と同一視しないことが重要だ。
事実確認済みの注目ニュース
令和7年度補正のV2H・外部給電器補助金が受付終了
次世代自動車振興センターの通知によると、8月28日に到着した申請によって予算額を超えたため、交付申請は8月27日中のセンター到着分で受付を終了した。8月28日以降の到着分は無効である。対象事業の配分額は約55億円で、8月21日時点の通知では予算残額が約5億円とされていた。
トヨタ・レクサスの7月世界BEV販売が3万6991台
トヨタの月次販売資料によると、トヨタ・レクサスの2026年7月の世界BEV販売は3万6991台で、前年同月比106.7%増だった。1〜7月累計は23万163台で、前年同期比130.2%増である。いずれも世界合計であり、日本単独の実績ではない。数値は公表データでも確認できる。
ホンダと日産の車載OS共同開発は「合意見通し」との報道
日経報道を引用したロイター配信では、ホンダと日産が共通の車載OSと車載コンピューターを共同開発し、早ければ8月31日に合意、2029年にも新型車へ搭載すると報じられた。一方、ホンダは合意は未決定、日産も具体的に発表できる段階ではないと説明している。両社が2024年8月に次世代SDVプラットフォームの基礎的要素技術に関する共同研究契約を締結し、研究を開始したことはホンダの発表で確認できる。
EVトラック中古電池の定置利用実証を4者が検討
グリーンコープの発表によると、グリーンコープ、日野自動車、豊田通商、NEXTESは、配送用EVトラックの使用済みリチウムイオン電池を定置用蓄電システムへ再利用する実証の検討を始めた。グリーンコープミルクの施設を最優先候補とし、2027年度中の実証開始を目指す。検討中のシステムは日野「Dutro Z EV」の使用済み電池を使い、数百kWhの蓄電容量を備える予定である。グリーンコープは他車種を含め600台を超えるBEVを運用している。
主要15カ国の7月BEV販売は102.1万台
マークラインズの公表内容によると、主要12カ国と北欧3カ国を合わせた15カ国の7月BEV販売は102.1万台で、前年同月比9.8%増、市場シェアは20.4%だった。対象は世界の電動車販売の約90%をカバーする乗用車で、商用車を含まない。BEV、PHEV、HEV、FCEVを合計したxEV販売は198.2万台、前年同月比6.5%増で、自動車販売全体の39.7%を占めた。
日本市場では何が同じで、何が違うか
V2H・外部給電器補助金の受付終了は、日本で設備導入を検討する人に直接関係する。ただし、これは該当設備向け事業の措置であり、CEV車両補助金全体の終了を示すものではない。また、8月27日までに到着した申請についても、受付と交付決定は分けて考える必要がある。
これに対し、トヨタ・レクサスの数値は世界合計、主要15カ国の数値は複数市場を合算した乗用車統計である。後者は商用車を除き、一部に推計値を含むため、完全な世界総計でも日本単独の需要でもない。今回の資料には、海外制度、価格、充電規格、車種別の航続距離や仕様を日本と比較できる情報がない。世界販売の増加だけから、日本での価格低下、車種拡大、充電条件の変化を導くことはできない。
車載OSの新契約は正式合意前の報道であり、対象市場や車種も未確定である。電池再利用も国内での検討だが、実証はまだ始まっていない。いずれも現在販売中のEVの整備条件や下取り価値を直ちに変更する確認済み事実ではない。
日本のEVユーザーにとっての意味
EV Note編集部の分析では、V2H導入を含む購入計画では、車両と設備の予算を分けて確認すべきである。今回終了した補助金を確定財源として計算せず、申請済みの場合もセンター到着日と交付決定状況を個別に確認する必要がある。追加予算や再公募を前提に契約する根拠も、現時点の資料にはない。
世界BEV販売の伸びは確認できるが、車両価格、国内納期、航続距離、充電性能の変化は示されていない。購入判断では世界集計を車種の優劣へ置き換えず、日本仕様の見積もりと諸元を販売店で確認するのが妥当である。電気代についても節約額を計算できるデータはなく、自身の契約プラン、利用時間、設備・工事見積もりを使った試算が必要だ。
共通OSの報道は将来のソフトウェアや整備のあり方に影響する可能性があるが、現在の保証や更新方法を約束するものではない。中古電池の定置利用も、将来の活用先が広がる可能性を示す一方、現時点の下取り価格や電池評価基準を裏付けない。集合住宅を含む自宅充電環境についても、今回の資料から設置可否や支援対象は判断できないため、物件ごとの条件確認が欠かせない。
初めてEVを購入する人へのポイント
- 販売店では、日本仕様の車両価格、航続距離、充電仕様、納期を確認し、世界販売の伸びだけで判断しない。
- 車両補助とV2H・外部給電器向け補助を分け、申請済みならセンター到着日と交付決定状況を確認する。
- 自宅の電気契約と利用時間を基に、充電費用、設備費、工事費を同じ条件で試算する。
- ソフトウェア更新、保証、整備方法は、報道された将来の共通OSではなく購入時点の条件を確認する。
- 電池保証、状態の評価方法、下取り条件を確認し、検討中の再利用実証を現在の査定価値へ織り込まない。
未確定情報と今後の確認事項
V2H・外部給電器補助金では、受付済み申請の交付決定状況、追加予算、再公募、次年度事業の有無が確認できていない。トヨタ・レクサスについては、増加に寄与した車種別の世界販売内訳が不明である。
ホンダと日産の新たな共同開発は報道段階であり、成立日、最終的な契約範囲、三菱自動車の参加、対象車種、搭載市場、開発費の分担は未確定である。対象がEV専用か、ほかのパワートレインを含むかも確認できない。
中古電池の実証は検討中で、実施決定、正式な設置場所、開始日、期間は未定である。蓄電容量などの諸元は開発中で変更の可能性があり、実証後の商用化時期や展開規模も発表されていない。主要15カ国統計には推計値と過去データの修正が含まれ、対象外の国と商用車を含む完全な世界販売台数は示されていない。
まとめ
確認できるのは、BEV販売が対象市場で伸びたこと、国内V2H補助金の受付が終了したこと、そしてソフトウェアと中古電池で次の取り組みが検討されていることである。EV選びの基礎はEV初心者ガイド、自宅や外出先での充電を整理する際はEV充電インフラガイドも参照し、確認済みの現在条件と将来計画を分けて判断したい。


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