2026年5月9日時点のEV(電気自動車)業界では、テスラの安全技術認定、中国メーカーのカナダ進出加速、リビアンの新モデル展開など、グローバル市場の勢力図を左右する動きが相次いでいる。以下、注目ニュースを5本まとめた。
1. テスラ Model Y、米NHTSA新ADAS基準に全車種初の適合
米国道路交通安全局(NHTSA)は2026年5月7日、2026年型テスラModel Yが改定された先進運転支援システム(ADAS)ベンチマーク試験に全車種で初めて適合したと発表した。テスト対象となった項目は、歩行者向け自動緊急制動(AEB)、死角警告、死角への車線変更介入、車線維持支援の4つの新項目に加え、従来からの前方衝突警告・緊急制動支援・動的制動支援・車線逸脱警告の計8項目。ADASとは車載センサーやカメラを活用して衝突回避を補助する技術のことで、今回の認定はテスラの自動運転技術開発の信頼性を公式に裏付けるものとなった。なお、テスラが自社で試験を実施しNHTSAへ提出したという経緯があり、当局が追認する形となっている。
情報源:Electrek – Tesla Model Y first to pass NHTSA’s new ADAS tests
2. BYD・Chery・Geely、カナダ市場に一斉参入——関税100%→6.1%引き下げが契機
カナダがマーク・カーニー首相主導の対中貿易協議により中国製EV関税を従来の100%から6.1%(最恵国税率)に大幅引き下げたことを受け、中国大手3社の動きが加速している。BYDは1年以内に20店舗の開設を計画し、小型ハッチバック「Seagull」(3万ドル以下)・コンパクトSUV「Atto 3」(約4.2万カナダドル)・セダン「Seal」(約4.9万カナダドル)などの投入を予定。CheryとGeely(リンク&コーなど)も現地でのスタッフ採用・ディーラー候補地の視察・商標登録を進めており、日本市場でも存在感が増す中国勢がカナダという新たな北米拠点を着実に固めつつある。
情報源:Electrek – Chinese automakers race to enter Canada
3. カナダ政府、テスラ・BYDへの個別EV輸入上限を検討
カナダ政府は年間4.9万台の低関税枠をテスラとBYDが独占しないよう、両社への個別輸入上限設定を検討していることが明らかになった。テスラはカナダのオンタリオ州でも生産を行っているため、中国製EVの優遇枠をテスラが大量活用するシナリオへの懸念がある。BYDについても市場シェアの急拡大を警戒する声が上がっており、政府としては特定メーカーによる市場支配を防ぎつつ多様な中国製EVの参入を促すバランスを模索している段階だ。
情報源:CnEVPost – Canada weighs specific EV caps for Tesla, BYD
4. リビアンCEO、R2ピックアップと高性能「R2X」の開発を示唆
米EV新興メーカー・リビアンのRJ・スカリンジCEOはR2 SUVの量産開始(2026年4月)直後に、ピックアップトラックおよびハイパフォーマンスモデル「R2X」への展開を示唆した。ジョージア州に建設中の新工場ラインが「複数のボディスタイルに対応できる」と述べており、5万ドル前後のミドルサイズEVピックアップが実現すれば電動ピックアップ市場で競合が少ないセグメントに参入できる。R2Xはリビアンの高性能版「R1S」「R3X」と同様、3モーター構成で0-60mph約3秒台を想定。リビアンの量産体制が軌道に乗れば、多様な派生モデル展開が現実味を帯びてくる。
情報源:Electrek – Rivian CEO hints at R2 pickup and R2X variants
5. レクサス、初の3列シート高級EV「TZ」を公開——トヨタ電動ハイランダーの姉妹車
レクサスが初めて3列シートを備えた全電動SUV「TZ」を公開した。2027年型として登場し、76.96kWhと95.82kWhの2種類のバッテリーを用意、航続距離は最大約480km(300マイル)を確保する。トヨタが同年後半に投入予定の電動ハイランダーと同一プラットフォームを共有する姉妹車で、ヒョンデIONIQ 9、ボルボEX90、リビアンR1Sといった高級電動SUV市場の競合と正面から戦う位置付けだ。ただし発表時点では価格や充電規格(テスラSC対応の有無)が未公表であり、日本市場への導入時期も未定となっている。
情報源:Electrek – Lexus reveals 3-row luxury EV SUV
まとめ
テスラの安全技術認定、カナダを舞台にした中国勢の攻勢と政策対応、リビアン・レクサスによる新モデル展開と、今週のEV業界は多方面で動きが活発だ。国内市場においても、日本メーカーが電動化で遅れを取らないよう各社の戦略に引き続き注目していきたい。最新情報は随時このサイトでお伝えしていく。

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